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お世継ぎのつくりかた [本]

筑摩書房から出版されている、江戸時代(約300年もあるんですけど)
の子作りと育児を中心にした話題をまとめた本です。

徳川家康がなぜ天下を取り、その後の安定した政権維持が出来たのか?の
一つのキーワードでして、子どもの多さがあるというのが一つ目の視点で
他国の大名との間で人質としても活用され、そしてまた政略結婚の持ち駒
としての価値も含めて、子どもは多ければ多いほど、他国との血筋を繋ぎ
強固な親戚縁者関係を構築できるというのが戦国時代を生き延びた武家の
特徴だったことが書かれています。

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大奥も要するに自らの血統を残すためのなりふり構わぬ子作りの場だった
というのが、大奥の華やかな印象とは違った視点になっています。


殿様(大名)の基本的な仕事は子孫を残すこと、ということで子作りこそ
最優先となり、精力のつく食事を摂り続け、ひたすら子作りに励んだ挙句
衰弱死しそうになった(もしかしたら衰弱死した殿様もいたかも…。)と
いうのも殿様の表には出てこない別の一面です。

それに対して一般町民の中でも商家は、女系相続という基本があったため
男児ではなく女子が婿養子を取るということで、常に新しい血を迎え入れ
優秀な子どもが輩出されて現代にまで至るということになっているようで
男児を求めた武家社会が崩壊したのに対し、女の子を大切に育てた町民が
最終的には主役となった理由の一つと分析しています。

婿養子が実際にはあまり賢くも優秀でもなかったら、元々が相続する権利
を有した娘ですから、何の迷いもなく婚外男性の優秀な精子を受け入れて
優秀な子を産んだ江戸時代の商家のシステムは、もしかしたら今後の日本
でも受け入れられると言うか、現時点ですでに生活安定のための夫と優秀
なDNAを受け継ぐための浮気相手という形式で、成り立っているという
見方も出来ますね。(オスの種は馬と同じく選別される立場なのです。)

相続の権利もなく、あまりアテにもされていない商家の旦那衆は自分の妻
との情交は充実したものではなかったために、外に妾を作って性的満足感
は主に妾によって得ていたために、江戸時代から妾という慣習が公のもの
となっていたという話にも説得力があります。

さらに江戸庶民(長屋住まいの人達)は、共同出資で女性の生活費を出し
長屋住まいの男達全てが女性の相手になり、生まれた子どもは同じ長屋に
住む女性が育児を手伝うというシステムがあったために、誰一人飢え死に
するようなことのない共同生活が成立していたとか、現代のミーイズムに
毒された時代よりも余程、精神的に豊かな生活をしていたようです。

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現代の縛りの多い結婚とか恋愛なんて足元にも及ばない自由奔放な性愛が
謳歌されていた江戸の民衆の話や死ぬ気で子作りしていた武家とか、伝聞
のイメージとは相当違う江戸時代を知ることが出来る面白い本なので興味
がある方はご一読されることをお勧めします。


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